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書評その1 『七つの会議』を読んで思ったこと 33歳の読書感想文

   

書評その1 『七つの会議』を読んで思ったこと 33歳の読書感想文

読書初心者の僕が、久しぶりに一冊の本を読破したのでちょっとだけレビューしたいと思います。

『七つの会議』を読んで思った率直な感想

率直に言いますと、とても面白かったです。
それでも第一話から第二話への切り替えには戸惑いました。
せっかく1話目の中盤あたりから「お!おっ!」とのめりこみ始めていたのに、急に展開が変わりました。
もうちょっとつながりがあればこの切り替えもスムーズに行けたのですが、、ただし、これはこれでまた引き込まれていったのでした。

小説の中の世界とはいえ、ビジネスマンの中に発生する憎悪やネチネチとしたやり取りなど、とても面白く感じました。

書評その1 『七つの会議』を読んで思ったこと 33歳の読書感想文

また、キャラクターの持つ個性も現実社会の中で共感の持てる設定で面白かったですね。

とにかくのめりこめました。
のめり込めたおかげで、若干ではありますが本を読む速度も速くなってきているように感じました。

読もうか読むまいか迷ってる方は、「読んでみたらいいじゃな〜い」と言ってあげたいところであります。

『七つの会議』のアマゾンでの評価

口コミ1 戻ってきた現場のヒリヒリ感

投稿者:kogonil
評価:

ずっと池井戸潤さんの作品は読んでいましたが、『空飛ぶタイヤ』を最高峰として、以降は低調だと思って
いました(※個人の感想です♪)。
池井戸作品の魅力として、具体的な業務の詳細や現場の葛藤のリアルさがあると思います。だからこそ、
現場や業務のあれこれは違っても、それなりに経験のある社会人にとって登場人物に感情移入もし、先々
の展開に手に汗握る部分もあったのだろうと。

しかし、最近の『鉄の骨』や『下町ロケット』(それぞれ映像化もされましたね)、人気が高いシリーズの最新
作『ロスジェネの逆襲』などは、それらがいかにも弱く、定型的な業務の描写に、どこかで見たような勧善懲
悪のプロットで、中盤くらいで、誰が悪として懲らしめられるのか、見通せるような感じで、どうにも入り込めな
いなと感じていました。

しかし、本作では、最近では弱いなと思っていた従来の池井戸作品の良さが戻ってきました。しかも、最後
まで一番悪い奴が誰かは闇の中だし、ヒーローとして立ち振る舞うのが誰かも定まらず(いや、本作にヒーロー
はいないのかも)、これまでのように、早々に「会社」内での善玉と悪玉が色分けされるようなこともなく、久し
ぶりに頁をめくる手が止まりませんでした。

読みながら、「これ、これ!」っていう感じを禁じ得ませんでした。

社会人の方には、自身の業務体験と照らして、ヒリヒリする感覚があるかとも思いますし、個々に述べられる
登場人物の背景には、世の中の広がりを示唆することで、テーマのひとつである「客を大事にしない商売は
滅びる」ということに、一層の厚みを与える効果もあると思います。

久しぶりに、(個人的に想定している)池井戸節を堪能して満足度は非常に高いです♪
従来、池井戸潤氏のファンでありながら、最近の作品に、今一満足しきれないものを感じていたという読者
(そういう方がいらっしゃったとして)には、是非ともお手に取ることをお薦めします。

口コミ2 会議はその会社の性質が如実に現れるもの、会社は多面体、7つの会議で死角を1つずつ消して行く様は見事。

投稿者:Thanks_Given
評価:

定例会議
この物語の舞台、東京建電の営業部門の会議である。部長がノルマ未達の部下に容赦なく叱責する、戦略も戦術もない、前向きな議論や経験に基づく助言などもっての他、そこには精神論しかない。そんな会議が定期的に待っていたら部下は何を考えどう行動するだろう。

パワハラ委員会
居眠り御免のグータラ係長が、年下の成績優秀な課長を訴えたパワハラ委員会。普通なら居眠り野郎など相手にされない筈なのに、どう言う訳か厳格な対応。上記の定例会議のスタンスにそぐわない。こりゃなんかあるなとここで気づく。

経営会議
東京建電の下請け零細ネジ製造業者、社長とその妹だけで開かれるトップ会議。値下げ圧力、下請け変更、資金繰りと暗い話ばかりだ。下請けの苦労の原因の殆どは発注元の大きな会社なんだろうな。

環境会議
東京建電の職場環境改善のために開かれる会議。でもコストや手間のかかること、前例のないことは通りにくい。それでも不倫と退屈な事務仕事に疲れた女子社員が、退職前に自分の足跡を残すため、ある改善案を提案する。ここまでで短編3話。えらく話がとっ散らかっていて、これって収束するのかしら?と不安になる。

計数会議
東京建電の経理部門が営業部門を締め上げる会議。数字屋が営業に口出しすんじゃねえ、な〜んて言えれば溜飲も下がろうものだが、そうもいかず、何で上司でもない他部門の人間に公開処刑されなければならないのか。ちょっとこの会社の構造・・・変だ。

編集会議
クレーム処理部門にとばされた社員が自分の存在価値を認めさせるために、消費者視点などお構い無しに、自分にとって都合の良いクレームばかりを掬い上げる。完全に内向きだ。

御前会議
東京建電の親会社ソニックで開かれる社長と幹部だけのトップ会議。しかし、議事録は発行されないとのこと。これってただの密談では。「御主も悪よのう。」「いやお代官様こそ。」な〜んてやってるのかとついつい疑ってしまう。

自分の会社もそうですが、会議ってその会社の性質が如実に表出する場だと思います。親会社や下請けも含め様々な会議を通じて、多面体の死角を消して行くように、会社の実態が明らかになって行く様は見事です。

加えて秀逸だったのがドーナツのエピソード。ドーナツに対する対価を支払わない人間が2人出てきます。その2人の所属部署とそのセコい行動の対比が、これまたこの会社の本質を表しているようで、強く印象に残りました。

口コミ3 一気に読んでしまいました

投稿者:Amazon カスタマー
評価:

池井戸潤さんの作品は、好きでよく読んでいますが、今回も一気に読んでしまうほどでした。
専門的すぎず、読みやすいのも事実です。
どの作品を読んでも、読み終わった後の爽快感がたまりません。

口コミ4 読みやすかった。

投稿者:パイナップル
評価:

初池井戸作品。アッサリサックリ読めて面白かった。もっとドロドロしてるかと思ってた。でも全体を通して登場人物が同じに見える。生い立ちとかは書かれているんだけど、もっと性格に振り幅がほしい。自分が正しいと思っていて、行動するにあたって逡巡することがない人ばかり。あと、事態が露見した際の社外の様子があまり描かれておらず、ヤバい感がない。

口コミ5 やや期待外れ

投稿者:紙瑠
評価:

当代きっての人気作家の作品だけあって、すいすい読ませる。ドラマや映画の原作として好まれるのもよくわかる適度
な重さと軽さのバランスで、移動中の暇つぶしなんかにも最適だ。ただ、読後感はもうひとつすっきりしない。その理由
は、後半であっさり社長を悪党にしてしまったからだと思う。登場時にリベラルでフェアな人柄であると紹介され、これと
いった伏線もなくそのまま時間が過ぎて行ったのに、急に過去の悪行や日頃の行状の悪さを並べられてもな…という感
じで唐突な印象が拭えない。単純に「悪役は○○だ!」というお話ではないのは分かるが、やっぱり直接的に悪いのは
この人でしょう。その裏の顔がいきなり出てくるので戸惑ってしまうのだ。
あと、個人的に最も気に入ったエピソードは「ねじ六」編だったが、この結末だとねじ六は今度こそ抜き差しならない苦
境に陥るんじゃないかと危惧して嫌な気分になってしまった。しばらくはリコール需要で潤うだろうが、リコールが終わ
った時点で大口の発注元が倒れているかもしれないし。それと、ドーナツ編。これも好きなエピソードで、不倫相手への
感情をなかなか吹っ切れない女性の揺れ動く心理やそこから抜け出す瞬間をうまく表現した好短編だとは思うが、必
要なかったと思う。ラストで腐りきった組織との対比として再登場させるために出したんだろうけど、そこまで鮮やかな
コントラストになっておらず蛇足感が否めない。
ただ、繰り返しになるが読みやすく単純に楽しむことはできるので3点。

まとめ!『七つの会議』

書評その1 『七つの会議』を読んで思ったこと 33歳の読書感想文

本を読んだ後にコメントやレビューを見るのも面白いですね。
僕はこれまで、サラリーマンらしいサラリーマンを経験したことがなかったため、出世街道などについては、「あるだろうな」程度に読み進めていましたが、実際に経験している方の口コミを見ると、手に汗を握る場面も多々あったとコメントしていますね。

また、池井戸ワールドを楽しみたいと思える作品でした。

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